ダイコンについて
ダイコン(大根)はアブラナ科ダイコン属の野菜です。原産地は地中海沿岸地域や中東と推定されています。とても歴史の古い野菜で、紀元前2000~3000年頃には古代エジプトで栽培され、ピラミッドを建設する労働者に配られていたという記録もあります。日本には弥生時代に中国より伝わりました。
漬物、おでん、煮物や、すりおろして「大根おろし」にし、焼き魚の薬味などとして幅広く活用できる日本では欠かすことのできない定番野菜です。品種により春採り、夏採り、秋冬採りと様々な時期にダイコンを栽培することができますが、家庭菜園では秋冬採りでの栽培が難易度が低いのでおすすめです。
ダイコンの栄養素
ダイコンとして普段食べている根の部分は90%以上が水分で、 栄養価はそれほど高くはありませんが、ビタミンCやカリウムなどを含んでいます。
ダイコンに含まれているビタミンCは皮の近くに多く含まれているため、ダイコンの皮をつけたまま、大根おろしなどにして食べると効率よくビタミンCが摂取できます。
またダイコンの葉にはβカロテン、カリウム、カルシウム、ビタミンC、ビタミンKが多く含まれています。
ダイコンに含まれる消化酵素
ダイコンはアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの消化酵素を含んでいます。アミラーゼ(ジアスターゼ)はでんぷんを分解する酵素、プロテアーゼはたんぱく質を分解する酵素、リパーゼは脂肪を分解する酵素です。酵素は熱を加えると失われてしまうので、大根おろしにして生で食べると酵素を効率良く摂取できます。
ダイコンの辛味成分
大根特有の辛味は「イソチオシアネート」という辛味成分によるものです。イソチオシアネートはアブラナ科の野菜に多く含まれており、殺菌作用やガン予防に効果があるといわれています。イソチオシアネートは消化酵素と同じく、大根おろしにして食べると効率良く摂取できます。
ダイコン栽培早見表
ダイコンの発芽・生育適温
ダイコンの発芽適温は15~25℃、生育適温は15~20℃です。
ダイコンの種まき
ダイコンの種まきの2週間前に畑に苦土石灰を施し、1週間前に堆肥、化成肥料を畑に施し深く耕して、畝を作ります。株間30cm、条間40cmで深さ1.5~2cmのまき穴を作り、種を1箇所に5粒ほど点まきにして覆土します。3~5日ほどで発芽します。
ダイコンの間引き・追肥
1回目の間引きは本葉が2~3枚の頃、2~3本になるように間引きます。2回目の間引きは本葉が5~6枚の頃、1本になるように間引きます。1回目と2回目の間引きとあわせて、株周りに化成肥料を土とまぜあわせるようにして追肥します。
ダイコンの収穫
ダイコンは品種によりますが、種まき後60~80日ほどで収穫できます。外葉が横に広がってきたら収穫適期です。葉の根元を持って引き抜いて収穫しましょう。ダイコンは採り遅れると、中にスが入り食感と味が悪くなってしまいます。特に夏採りのダイコンはスが入りやすいので、収穫の遅れがないように注意しましょう。
ダイコンの連作障害
ダイコンは連作障害を起こしにくい野菜ですが、1~2年以上ダイコンを栽培していない場所を選んで育てましょう。
ダイコン栽培のポイント
栽培のポイント
●ダイコンは根を深くに伸ばすので、植える場所は深く耕しておきましょう。
●採り遅れると中にスが入るので採り遅れのないように収穫しましょう。