ニンニクはヒガンバナ科(ユリ科)ネギ属の野菜です。ニンニクの原産地には様々な説がありますが、原産地は中央アジアだと推定されています。独特の刺激のある味と香りで、様々な料理の薬味や香辛料として欠かすことのできない香味野菜です。
ニンニクは紀元前3200年頃には古代エジプトで栽培と利用がされており、ピラミッドを建設する労働者のスタミナ源だったようです。日本には中国を経て8世紀頃に伝わりました。当時の日本では蒜(ひる)と呼ばれており、室町時代の初期からニンニクと呼ばれるようになりました。
ニンニクは植え付けから収穫までに8か月程かかりますが、ある程度の放任栽培でも収穫は可能で手間もあまりかからず連作障害も少ない初心者にも栽培しやすい野菜です。
ニンニクには滋養強壮や疲労回復に効果があることで有名ですが、その効果の秘密はニンニクに含まれる特有のにおいの成分である硫化アリルの一種の「アリシン」です。
アリシンには強力な殺菌作用やビタミンB1の吸収を助ける作用があり、滋養強壮や疲労回復効果があります。またアリシンには 血行促進効果や免疫力を高めるがん予防の効果もあると言われています。
ニンニク栽培早見表
ニンニクの発芽・生育適温
ニンニク発芽適温は20~24℃、生育適温15~20℃です。
ニンニクの球根(種球)の植え付け
ニンニクの植え付けは9月下旬~10月頃に行います。ニンニクの植え付け2週間前に畑に苦土石灰を施し、1週間前に堆肥、化成肥料を畑に施して幅約60cm、高さ約10cmの畝を作ります。
ニンニクは尖っている方を上に向けて深さ5~6cm、株間15~20cm、条間20~25cmで種球を植え付けます。植え付け後はたっぷり水を与えましょう。
ニンニクの追肥
ニンニクの追肥は1回目は植え付け1か月後に化成肥料を株元に追肥します。同様に2回目の追肥を2月頃に行います。追肥が遅れると苦いニンニクになる可能性があるので、3月以降の追肥は行わないようにして下さい。
ニンニクの芽摘み
5月頃になるとトウ立ちしてニンニクの花茎(ニンニクの芽)が伸びてきます。球根の育ちが悪くなるのである程度の長さになったらニンニクの花茎を摘み取りましょう。摘み取ったニンニクの花茎はニンニクの芽として炒め物などにして美味しく食べることができます。
ニンニクの芽にはアリシンやカロテン、ビタミンC、食物繊維などが含まれており非常に栄養価が高い野菜です。
ニンニクの収穫
ニンニクの収穫は5月中旬~6月頃の晴天が続く日に行います。ニンニクの葉の5割が黄色くなってきたら引き抜いて収穫しましょう。
ニンニクの連作障害
ニンニクは連作障害が起きにくいので数年間は同じ畑に連作することができます。
ニンニクの保存方法
収穫したニンニクはすぐ根を切りましょう。ニンニクを長期保存する場合は風通しの良い場所にニンニクの茎や葉をヒモで束ねて吊るすか、ニンニクをネットに入れ吊るして保存しましょう。
ニンニク栽培のポイント
●2回の追肥のタイミングを間違えないようにしましょう。
●ニンニクの花茎の摘み取りを忘れずに行い、収穫の時期を遅れすぎないように注意しましょう。